2015/06/15(月)

ネパール地震被害に対する支援の実施状況 Ⅱ (過去データ)

2015.06.15

ネパール地震被害に対する支援の実施状況 Ⅱ (2015年6月12日現在)

4月25日、ネパールにおいて発生した大地震は死者8,000人、倒壊家屋28万棟以上を越える甚大な被害与えた。公益社団法人日本ネパール協会は、地震発生後の4月27日より義援金の募集を開始した。

そして5月1日、同協会は現地での迅速な救援活動に資するため、日本とも馴染みのあるJICA ネパール人研修生同窓会及び海外在住ネパール協会国際本部の2つの現地団体に対し総額1,000万円相当の送金を実施した。これら2団体は被害の大きい地方を中心として救援活動を促進し被災者の救援に努めており、日本からの支援として評価されています。

公益社団法人日本ネパール協会は、その後新たにネパール人日本留学同窓生協会への支援を加え、下記の通り総額2,300万円の送金を実施し、倒壊した多くの学校の早期再開を含む救援活動の一層の促進を支援致しました。

改めて皆様のご協力に御礼申し上げます。

1、 ネパール人日本留学同窓生協会(JUAAN、Japan Universities Alumni Association of Nepal)

(1)主な支援地域:被害の大きいゴルカ(Gorkha)、ダディン(Dhading)、 カブレ(Kavre)、及びラリトプール(Lalitpur)

(2)使用目的と使途:上記の地域において、仮設学習センターを建設し、約2000名の生徒を対象に、震災後の伝染病の拡大を防ぐために公衆衛生教育も行う。仮設学習センターの建設と教育に必要な資機材、すなわち、波型シート、道具(釘、金づち、シャベル等)、技術者労賃、ボランティアに関する経費、教育用教材(黒板、チョーク等)。

これらの活動は、ネパールの日本留学経験者や大学で教育に携わっている者、大学院生がグループを作って実施するもので、効果が期待される。

(3)支援金額:300万円相当

2、 海外在住ネパール協会国際本部

(1) 主な支援地域:前回より対象のスンドゥパルチョク/カブレ /ダデイン /

ゴルカラメチャプ /ラシュワ /ラム ジャング /ヌワコット に加え、

バクタプル /コダリー /チトワン /ラリトプール /カトマンズ 。

(2) 使用目的と使途:テント /チューラ (乾燥米 ) /インスタト麺 /

毛布/飲料水などの供給

(3)支援金額:1,000万円相当

3、ネパール政府(在京ネパール大館)

(1)主な支援地域:カトマンドウを中心とする地震被災地全体

(2)使用目的と使途/被災者、被災地域に緊急に必要な物資等

(3) 支援金額/1,000万円相当

ネパール政府としては、全般的な資金不足から、ネパール地震救援に関する民間支援金も可能な限り集約したいとしているが、そのような民間資金による政府の救援活動の実施が遅れれば民間の義援金や救援活動を抑制する結果ともなるので、民間義援金を活用した政府による救援活動の速やかな実施が鍵となるようです。

ネパールの地震が発生し2か月に近づいているが、その間暴動や大きな騒動も起こっていないことは、各国政府、国際機関の救援活動はじめ、日本を含む各国からの民間支援により、総じて被災地に食料や水、テント等の緊急物資がある程度届いていることを伺わせる。しかしネパールはこれから雨季に入ることから、テントや仮設家屋や衛生管理などが重要となると共に、学校の再開、農業その他の生産活動への復帰など、日常生活や生産活動を1日も早く取り戻す努力と共に、政府レベルでは道路その他の社会インフラを始めとする社会経済基盤の復旧、復興やより安定した住居や市街地の整備という新しい段階に入っていると見られます。また文化遺跡の修復等も今後の課題となるでしょう。(M.K.)

以上