最近のネパール情勢(2) 暫定政府の発足
ソーシャルメディア・サイトの遮断問題に端を発した‘Z世代’(Gen Z)と称される若い世代の激しい抗議活動は暴徒化し、警察の制止活動により死者19人以上、負傷者数百名を出し混迷を深めたため、その責任を取って内務大臣、次いでオリ首相が辞任すると共に、死者への補償と負傷者への治療費負担の検討を表明した。
ソーシャルメディア使用禁止は解除されたものの、抗議活動は死傷者の家族や関係者等も加わり拡大し、首相や内務相の私邸、政府関係施設等への放火などに発展した。
このような状況を受けて治安維持を任されたネパール軍のシグデル参謀総長は、抗議活動の停止と事態打開に向けた協議を提案し、9月12日、ポウデル大統領公邸において、‘Z世代’を中心とする若い世代の代表達と事態打開に向けた協議が行われた。これら代表は、暫定政府の首相として元最高裁長官のスシル・カルキ女史他を候補として挙げると共に、連邦議会の解散と選挙の実施を求めた。
この協議を受けてポウデル大統領は、カルキ女史を暫定政府首相に任命すると共に、2026年3月5日に連邦議会選挙を実施することを表明した。またカルキ首相は9月15日、大蔵、エネルギー、及び内務の3大臣を任命、漸次その他閣僚を任命する予定。
ソーシャルメディア・サイトの遮断問題がこのような抗議活動に発展した背景としては、ネパールにおいて失業率は公式には10.7%だが実際にはそれ以上に達している一方、汚職の噂が絶えず、閣僚や一部政治家の子弟が豊かな暮らしをしていると伝えられ、若い世代の不満が募っていたことが挙げられている。
(2025.9.15.M.K.)





