代表ご挨拶

2020年 年頭のメッセージ

皆様、それぞれに良い新年を迎えられ、また気持ちも新たに抱負や目標などを持たれた方も多いのではないかと思います。

2020年は日本でオリンピック、パラリンピックが開催される年。聖火が日本国中を駆け巡り、また各地で各国の選手団の受け入れが行われ、オリンピック、パラリンピック ムードに沸くことでしょう。多くの種目で日本人選手が活躍してくれることを期待しています。

ネパールは、本年が観光年(Visit Nepal 2020)となっています。多くの方々がネパールを訪問し、ネパール観光年を応援して頂ければと願っています。ネパール航空が2019年8月28日より、カトマンズー関空間の直行便を運行するようになり、飛行時間7時間55分と楽になりました。特に近畿以西の皆様には便利となりましたが、成田への乗り入れも協議されているようです。

ネパールでは、2015年9月20日に公布された新憲法に基づき2017年11月、12月に連邦議会選挙が行われ、その結果を受けて2018年3月にオリ首相の下で新政府が発足しました。新生ネパールが発足し2年とになります。連邦民主共和国家にとなり、左派マオイスト・グループによる武力闘争はなくなり、国内治安は大きく改善し、市民は昼夜にわたり活動できるようになり、市中は活気を取り戻しています。

またこのような政治・治安情勢の安定もあって、ネパールは順調な経済回復、開発を遂げています。未だにバクタプールやパタンの遺跡などへの地震被害は残っていますが、2018/19年度の一人当たり国民所得は1,034米ドルと1,000ドルを超え、市民生活も活気を取り戻しています。

他方、海外からの送金がGDPの28%(2018年)を占めており、ネパール人の海外出稼ぎが続いていることを示しています。在日ネパール人も9万人を超えるまでになっていますが、日本社会との円滑な関係、交流を確保することが

課題となっていると共に、ネパールにおいて農業関連ビジネスの促進・普及など、

同国での雇用機会を増やし、経済的自立を促すことが重要になっています。

当協会は、2015年4月24日に発生した大地震に際し、広く皆様より義援金を募り、現地の関係団体への資金支援を通じ緊急救済活動を実施致しましたことはご報告の通りです。その一つとして農村コミュニテイ開発支援を行いましたが、当協会としては家の再建支援は資金的に困難な話ですので、時間は掛かるものの、換金作物の生産・販売支援を通じて家の建設を含め村落コミュニテイ支援を行うことを目的としたものです。2018年9月にこれらの支援結果の評価を兼ねて訪ネした際、支援したレレ村の20~30人の皆さんともお話しを持ちました。地震で村のほとんどの家が潰れ、喪失感でどうしたらよいか分からなかった時に、野菜栽培を通じたコミュニテイ開発支援を受けたことにより、希望が持てるようになり、今では家が建てられるようになったなど、多くの方々から喜びの報告を耳にしました。皆様から頂いた義援金が、3年間の支援で予想以上の成果を挙げ、大変嬉しく思いますし、ご寄付をして頂いた皆様に改めて御礼申し上げる次第です。

ネパールとの交流、協力の形はいろいろあって良いが、当協会が実施したこのような農村コミュニテイ開発支援は、社会開発協力分野では、雇用機会を創出し経済的自立を促し、それにより人々に希望を持たせることになりますので、ネパールへの今後の協力の在り方を示唆していると言えましょう。訪ネの際、オリ首相ともお会いし、この点をお伝えしました。

ネパールには、「世界の屋根」と言われているヒマラヤ山脈の他、市民生活と共存する文化遺産や多様な自然環境と動植物など、魅力に富んでいます。更に、ネパールはブッダの生誕地でありブッダの故郷であり、多くの日本人にとって身近なものになっているブッダ文化の源泉でありますので、ネパールとの交流は、その原点、源流に触れるということでもあります。

本年はネパール観光年です。ネパールを訪問し、このような歴史的な背景を念頭に置いて、ブッダがシッダールタ王子として誕生し育ったルンビニやカピラバスツ遺跡を巡り、そしてヒンドウの異文化に接し、ヒマラヤを仰ぎ、ブッダの故郷ネパールから改めて日本や世界を眺めてみるのも一興ではないでしょうか。

皆様のご多幸とご発展をお祈り致します。

公益社団法人日本ネパール協会 代表理事/会長       小嶋 光昭